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2023年02月14日

暗号資産交換業 監査今後について

本記事では、暗号資産交換業の監査についての詳細と、今後について記載します。

2017年4月に初めて、資金決済法が整備され、公認会計士又は監査法人により法定監査が義務付けられました。これらは過去の多額の流出事件を踏まえた対策と言えます。

国内暗号資産交換業者資金決済法、金融庁の事務ガイドライン、JVCEA(一般社団法人日本暗号資産取引業協会)による自主規制など、日本の暗号資産交換業の規制は高い基準を保っています。

暗号資産交換業者は、これらの規制基準に合わせて、コールドウォレット(インターネットに接続されていない環境でデジタル資産を保管するウォレット)、AML/CFT(マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策)への対応、セキュリティ対策、を強化し保全を行っています。

暗号資産交換業者は、多数ありますが、大手グループの交換業者、外資系の著名な取引所の交換業者のみを受嘱しています。

【ブロックチェーンビジネスの監査】

ブロックチェーンビジネスの監査とは、取引履歴を暗号技術によって過去から1本の鎖のように繋げ、正確な取引履歴を維持する技術を指します。

この特性を踏まえ、インターネットを通して分散台帳について理解を深め、会計監査に必要な監査証拠を収集していきます。

これらのデータから、実在性を検証し、評価の妥当性を検証します。当監査法人では、各チームメンバーのノウハウを合わせ、今後のWeb3.0のビジネス化に備えていきたいと考えます。

【一般事業会社への展開】

一般事業会社からブロックチェーンを利用したビジネスモデルについて相談をいただくのですが、

漫画コンテンツ、ブロックチェーンゲーム、動画作成に用いる音源をNFT(Non-Fungible Token 非代替性トークン)化する等が挙げられます。

新しい産業は会計基準や税務ルールが未だ明確でないケースが多く、監査の受嘱についての判断は慎重に行っています。

しかし、そういった会計基準や監査基準が定まっていないことを理由に、日本でのビジネスを躊躇すると、ブロックチェーンを利用した産業がシンガポール等の海外に流出する可能性も出てきます。

監査のクオリティを保持することは最も重要です。それと同時に、新しい産業、ビジネス形態を育てる為に実務を蓄積、醸成していくスタンスが必要と考えます。

【今後】

Web3.0(分散型インターネットの総称)のビジネスにはNFT等のトークン発行が不可欠です。

NFT(Non-Fungible Token 非代替性トークン)とは、ブロックチェーン上には記載される一意で代替不可能なデータ単位を指します。

今後、発行体や、保有者の会計処理及び税務処理を決めるに当たり、発行時のホワイトペーパー(仮想通貨の発行主体が仮想通貨を発行するときなどに公開する計画書・説明書)の権利義務の明確化、その後、監査上の留意点の選定をしていく必要があります。