2023年07月27日
現行の私立学校法では、理事、監事及び評議員(以下、役員等という。)の任期は寄附行為の定めによりますが、令和7年4月1日から施行される改正私立学校法(以下、改正法という。)においては、寄附行為で定める期間以内に終了する最終年度に関する定時評議員会の終結の時までとされ、寄附行為で定める期間は理事が4年、監事及び評議員が6年を上限とし、理事の期間は監事及び評議員の期間を超えないものと改正されました。
これは、改正法においては、役員等は、自身が担当していた年度の総決算である定時評議員会まで責任を持ってその任務を全うすべきとの考え方から、「定時評議員会の終結の時」を任期の終期に固定しました。
この点、改正法附則第3条において、役員等の任期に関し「改正法施行の際の役員等の任期は、残任期間と同一の期間と令和9年4月以後最初に招集される定時評議員会の終結の時までのどちらか早い方とする。」との経過措置が設けられました。このため、改正法施行の際に在任している役員等の任期については、以下の4つのパターンがあることになります。
①資格・構成に関する要件を満たさない者(例:評議員の総数の1/3を超える職員評議員)
②資格・構成に関する要件を満たす者であって任期が令和9年度の最初の定時評議員会終結の時より前の者
③資格・構成に関する要件を満たす者であって任期が令和9年度の最初の定時評議員会終結の時より後の者
④資格・構成に関する要件を満たす者であって任期の定めがない者(例:充て職理事)
改正法附則第2条の定めにより、令和7年度の査所の定時評議員会の終結の時までは、改正前の資格や構成に関する要件が適用されるため、例えば、理事と評議員の兼職者については、令和7年度の最初の定時評議員会終結の時を境に、「必須」から「禁止」に変わります。
したがって、①の任期は令和7年6月頃、②の任期は当初の任期、③及び④の任期は令和9年6月頃となります。
なお、改正法施行の際に在任している役員等の任期が令和7年4月1日までなど改正法施行時期と近接している場合、短期間で役員等を再度選任・解任を行う必要が生じることや後任の役員等の選任行為を令和7年3月31日以前に行った場合、旧制度下の選任方法により選任された役員等が新制度下から就任することは適当ではないことから、寄附行為の改正において、例えば、「令和7年3月〇日に在任する役員等の任期は、令和7年度の最初の定時評議員会の終結の時まで延長する」旨の附則規定を設けることが考えられます。
【参考】文部科学省 私立学校法の改正について(令和5年6月6日更新)より一部抜粋